残された一軒家には
私と、2歳のこどもと、白い犬。
3人暮らしがずっと続いていた。

隣の家は、旦那方の遠い親戚の家で
気づけばずっと見かけない旦那の姿を
気にしていたのだろう

面倒見のいいおじいさんで、
地域の自治会長を進んで務めるような
世話好きの人だった

門扉を出たところで偶然会って
声を掛けられた

「たかゆきは?この頃見ないけど」

気にかけられることが少ないため
言わないつもりだったのに
つい涙が出てしまい、
いろいろと聞かれてしまった

実は…、と不倫のことや借金、


親戚:
「たかゆきもか。あいつの兄も
 不倫して、親に頭を下げさせたのに
 兄弟で何してんだか、まったく。

 ところで、彼の母親からは
 連絡の一本も無いのかね?

 こんな可愛い孫もいて、
 不倫しておいて謝罪もないのかい
 様子を見にも来ないなんて
 薄情なヤツだな」


確かに、彼の親からは
今回の別居以降は一切連絡がなかった

間に入って取りなしてくれたので
それは少し不思議なことだったけれど

彼が代理人弁護士に嘘をついたように
恐らく義理の両親にも、
伝わってるからなのだろう

彼らしい「保身のための嘘」だなと
つくづく思う


一応、めちゃくちゃムカつくけれど(^^;)
そんな作り話は、どうでも良くて。

そんなことよりも、私は、
義理の両親のことが不憫で仕方なかった

旦那の嘘のせいで、
初孫として可愛がっていた孫に
二度と会うことが出来なくなるからだ

当時既に70歳間際だったので
10~20年だろうか。
(もっと長生きすることもあるけれど)


彼が突然家出をして出ていったので
最後にご挨拶することもできなかった

これからますますの、
一番可愛い盛りの孫を
見せてあげられないことを
とても残酷に感じ、
心が痛くて仕方なかった



つづく。



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