キャンペーンに、心を込めて。 | 土屋太鳳オフィシャルブログ「たおのSparkling day」Powered by Ameba

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こんにちは。

春らしい空と日差しだけれど

私は今、寂しい気持ちと

後悔の気持ちを両方、

感じています。

 

私が生まれて初めて

地方ロケに参加した作品であり

生まれて初めて舞台挨拶にも

参加させていただいた作品

映画「釣りキチ三平」で

本当にお世話になった

渡瀬恒彦さんが

この世を旅立たれました。

何年か前から闘病なさっていたとは

聞いていて

お手紙を書きたい書きたいと思いながら

お届けすることの叶わないまま

お会い出来なくなってしまいました。

後悔って…突然来るのだなと

今、本当に噛みしめています。

 

私は現在、いろいろな漫画を原作とした

いわゆる「実写化」の作品に

出演させていただいていますが

映画「釣りキチ三平」は私にとって

初めての実写化挑戦となる作品でしたし

「鈴木先生」でお世話になった

古沢良太さんの脚本を演じた機会も

この作品が最初でした。

 

漫画の中の人を演じるって

どういうことなんだろう…

それって、アニメとはどう違う意味を

どう持たせたらいいんだろう…

姿を似せたらよいのか、

それだけではない何かを

つかむべきなのか、

本当に本当に本当に手探りの気持ちで

矢口高雄先生の原作を

何度も読ませていただいたのですが

「ゆりっぺ」があまりにも魅力的で…

私は当時、

「アドリブ」という言葉の意味も知らないほど

今よりもっともっと未熟だった上に

直前の部活のバスケの大会で

ボールを喉に当ててしまって

それでなくてもガラガラな声が

もっと出なくなってしまうという

自己管理が最低の状態で

秋田のロケに参加したのですが

そこで出会った渡瀬恒彦さんは

豊かに流れる秋田の

力強い清流のような、

豪快で、でも澄み切った笑顔の

本当に素敵なかたでした。

 

もともと私にとって渡瀬恒彦さんは

特別な役者さんでもありました。

私が演技の世界に入るきっかけになった

スーパー・ヒロイン・オーディション

ミス・フェニックスを通して拝見して

大きな目標としていた

映画「セーラー服と機関銃」で

薬師丸ひろ子さん演じる女子高生

星泉が思いを寄せることになる

佐久間さんを演じていらっしゃったからです。

 

星泉ちゃんと佐久間さんは

立場も全く違うし

年齢差もあるという設定なのですが

初めてこの映画を拝見したときに

私は、

とてつもない衝撃を受けたんです。

演技の面でも、物語の面でも。

そのことを「釣りキチ三平」の現場で

お話させていただいたところ、

当時の撮影のことや

薬師丸ひろ子さんのご様子など

本当に詳しくお話してくださって

私は本当に嬉しくて嬉しくて

台本にたくさんメモをしたことを

覚えています。

 

そして、昨年

映画「PとJK」を撮影した時も

私は「セーラー服と機関銃」のDVDを

函館に持って行って

ロケの間、拝見していました。

何度も何度も拝見した

渡瀬さんの演技。

私は前に取材でも何回か

お話したことがあったのですが

もういちど…御一緒したかったです。

 

秋田ロケでは

何回か御飯を

御一緒させていただいて

そうすると必ず渡瀬さんは

「お前は演技はヘタだけど、

飯の食べ方だけはいい!

きれいに食う!」と

大きな大きな笑顔で

おっしゃってくださいました。

嬉しいようなくすぐったいような

あの時の気持ちと

渡瀬さんの満面の笑顔と

豪快なお食事の様子と

明るい声が

今も忘れられません。

 

撮影と公開が終わったあとも

プライベートで近況を

ご報告出来た時もありました。

心のどこかで

あの強いかたなら

まだ旅立つわけないって

思っていたんだと思います…

本当に自分が悔しいです。

「今」を大事にしようと

あんなにあんなに思っていたのに…

やっとあの時目標にしてた

セーラー服の高校生、

しかも年の差の恋愛を

演じることが出来たのに…

 

でも

一方通行になってしまうとしても

恩返しとして

出来ることがあるならば

作品に出会える限り、

女優として

仕事をすることなのだと思います。

 

実は映画「釣りキチ三平」では

もうひとつ

私にとって大きな根っこになった

あるスタッフさんとの会話があるんです。

 

そのスタッフさんは

ベテランのかたで、

お年もかなり上のかたでした。

昔の邦画の世界のお話などを

たくさんしてくださった中で

少し寂しそうに

「昔は映画も盛んだったけど、

最近はそうでもなくてね…

予算がある映画しか

キャンペーンをやらなくなっちまったね。

昔は映画が封切り(公開)になるというと

その1ヶ月前ぐらいは

全国にキャンペーンに行ったもんだよ。

いろんな地方を回って

挨拶したり新聞がきたりね。

でも今はやらなくなっちまったな。」

とお話してくださったんです。

 

確かにその頃は

つくられている邦画の数も

今より少なかった気がするし

キャンペーンという言葉も

今より聞かなかったのです。

その時のスタッフさんの

なんともいえない表情は

私の心にとても刺さって、

その時から私にとって

「キャンペーン」という言葉は

憧れであり、目標になりました。

映画の公開キャンペーンに

参加したい…

そう思って演技をしてきたし

キャンペーンによって

映画館に人がたくさん来て

笑顔や驚きや感動を感じて

楽しんでいただくことは

私自身の憧れでもあったんです。

 

だから、今まさに

映画「PとJK」のキャンペーンに

参加させていただいてますが

本当に光栄だし

本当に嬉しくて…

 

こういったことも

渡瀬さんにお伝えしたかった。

 

私は昨年

日本アカデミー賞の

新人俳優賞をいただいた時に

「私を映画の世界に入れてください」

とスピーチさせていただきました。

そのあとの取材や

このブログのコメントでも

「もう入っているのでは?」と

質問をいただいたこともあったのですが

私にとって映画の世界は

そうそう入れる世界ではないと

感じています。

 

映画に出演することと

映画の世界に入ることは、違う。

何かが、どこかが

違う気がしている。

じゃあ、どこが違うのか?というと

それがはっきりとは

わからないのだけれど

なんとなく、そう思うのです。

 

知ってる言葉が少ないから

その中で近い感覚をいうと

キャストさんもスタッフさんも

映画に愛された人が

映画の世界に入るような気がする…

あくまでも個人的な感覚なので

違うと感じる人は多いと思うし

かたよってる考え方かもと思うけど

私自身はそう思いながら

現場で演技をしてきました。

そして、今でもそう思ってます。

 

だからこそ

もういちど渡瀬さんと

御一緒したかったです。

あの頃より演技は

もっとだめになってると思う。

だからこそ辿りつきたかったなと

感じています。

 

こういった思いが

今日の私の心には

重く積もっているのですが

さっきも書いたように

女優として演じるだけじゃなく

キャンペーンに参加出来るという

目標にしてきた時間の中に

私は今いるので

渡瀬さんはもちろん

あの時に支えてくださった

スタッフさんがたにも感謝をこめて

今日の番宣のお知らせを

させていただこうと思います…!

 

今日のよる7時から

フジテレビ系列でオンエアされる

「VS嵐」に

映画「PとJK」チームのメンバーとして

出演させていただきます!!!

全力で挑戦してきました!

ぜひぜひぜひ!!!!!

ごらんください(*^-^*)

 

そして

映画「兄に愛されすぎて困ってます」は

その前にオンエアされる

ドラマの情報なども

昨日から新しく公開されてます!

この作品は

私は主演という形で

参加させていただいてますが

「主役」は、お兄をはじめとする

兄系イケメンズの皆さんです。

お兄たちがいなければ成り立たない

素敵でせつない物語。

これもまた

本当に素敵なキャンペーンが

スタートしていますので、

ぜひぜひぜひぜひぜひ!!!!!

キャンペーンを楽しみながら

公開を待っていただけたらと

心から願ってます。

 

写真は、海とスタッフさんがたと

カコちゃん。

チラッとうつっている

お買い物の袋も

大切なキーワードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

函館の海は

とても魅力的な海でした。

私が大好きな横浜に

どこか少し似ていて

初めてなはずなのに

とても懐かしい気持ちのする街でした。

その函館の魅力も

大きなスクリーンで

ぜひぜひ楽しんでくださいね(^^)

 

少しずつ春になってるけど

まだ夜は冷えるので

これからの時間

あたたかくしてお過ごしください。

ごきげんよう。

 

 

*… tao …*